2017/03/28
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ビジネスに最適化数学を~事例編~

スケジューリング画像
こんにちは、テック博士です。

前回までは、最適化数学の特徴や人工知能との違いについて
説明をしてきたね。

今回は、
実際に社会で使われた最適化数学の事例
を紹介しよう。

キーワードは、“スケジューリング”だ!


みなさんはアルバイトをしたことがあるだろうか。

アルバイトとは、仕事をある一定時間行い、
時給×労働時間 にて報酬をもらう というのが一般的だろう。

その際、シフト制のアルバイトでは
決められた期間のシフトを作られ、
そのシフトに則り仕事のスケジュールを決めている。



アルバイトとして雇われた各々は、
シフト希望をマネージャや店長などに提出をし、
しばらくするとシフトが出来上がっている。

という感覚を持っていたのではないだろうか。



しかし良く考えてみると、
シフトを作成する側、つまりこのケースのマネージャ達は
きっと様々な条件を加味して作成していることに気がつくはずだ。


24時間のコンビニエンスストアを例にしても、

 ① 24時間お店に1人以上店員が必要
 ② 店員のスキルが著しく偏るシフトはNG
 ③ 個人のシフト希望に出来るだけ沿う

 など、様々な条件があるだろう。


コンビニエンスストアでは、もしかすると
この程度の条件で済んでしまうため、
シフトを作成する側はそこまで負担を感じていないかもしれない。


 
しかし、これがさらに大きな場面では、
例えば、電車の運転手のシフトや、航空業界の添乗員など、
各空港や航空会社との相互作用も生まれると。。。

想像しただけで、膨大な時間と工夫がされていることに
気づくのではないだろうか。



ここで活躍しているのが最適化数学だ。


これらの条件を数式で記述し、かつマイナス要素が無い様
スケジューリングをする。
これは、“大規模スケジューリング問題”として
最適化数学の中では有名な問題だ。



現に、ヨーロッパの航空会社では、
各乗務員が勤務スケジュールに関する希望を提示した後、
それらを制約条件として数式に落とし
可能な限り制約条件を満たすスケジュールを作成している。

また、アメリカの航空会社では、
最初にすべてのシフトパターンを網羅するような勤務スケジュール
最適化問題として作成しておき、
その後、勤務スケジュールの内のどのシフトを選びたいか
を各乗務員に順に選ばせていく
という方式をとっている。



いずれにしても、最適化数学が無ければ、
今頃飛行機は飛んでいなかったり、
客室乗務員がいない飛行機が空を飛びまわることになるだろう。

まさに、 ビジネスに最適化数学を
というこの記事の題にぴったりの事例だ。



これらの事例は、今回紹介したスケジューリング問題だけでなく、
社会の見えない部分で大いに活躍している。

また、これらはしばしば「オペレーションズ・リサーチ」
というこれまた大きな科学的技法の中に収められることもある。

他の事例を知りたい場合は、一度調べてみるのはいかがだろう。




それでは、今回はこのあたりで。
ビジネスへの最適化数学の応用が一日も早く普及することを
より一層、期待しよう。

お疲れさま!