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こんにちは、テック博士です。
前回は、ビジネスに最適化数学を用いる為の
基本的な要点をまとめて説明したね。
今回は、最適化数学の特徴や人工知能との大きな違い、
最適化数学の実用例を一緒に追っていこう。
前回お伝えした通り、最適化数学は人工知能と並び、
様々なことが実現できる画期的な手法の一つだ。
最適化数学は、
「ある一定のルール」の範囲内で、「最適な」「答え(解)」
を見つける手法です。
そのため、ビジネス課題に応用する際には、
“何をしたいか”という目的と、
“何が条件か”という一定のルールを
正確に作ることから始まります。
人工知能にしても言えることですが、
この正確に作るという作業が極めて難しいのです。
なぜならば、この作業は
ビジネスを数学に翻訳する
ことに他ならないためです。
この作業があまりにも出来ていない場合、
期待していたものとは全く別のものが出来上がってしまう。
ということになりかねません。
そして、これら翻訳作業が終われば、
その目的とルールをもとにモデルを作ります。
このモデルとは、扱う課題を数式で記述したものだと
とらえてください。
そして、最適化の特徴として、
極論、このモデル化が出来てしまえば、
膨大なデータを必要とすることはありません。
もちろん、
モデルを作るために様々な条件などを盛り込む必要があるため、
その意味ではデータは必要となります。
ただし、想像よりもはるかに少ないデータ量で実現できるという
可能性は多いにあるのです。
さて、上記のような最適化数学と人工知能との違いは
他にもありますが、
ここではもう1つ紹介します。
それは解を出す速さです。
端的に言うと、人工知能は速く、最適化数学は遅い
というのが特徴です。
これだけ聞くと、やはり人工知能のほうが…
と思いがちです。
しかし、前回から述べているとおり、
人工知能には膨大なデータが必要となります。
そして、人工知能は帰納的、最適化数学は演繹的に
解を出すということもお伝えしました。
これが意味することは、
人工知能にはミスや誤差がほぼ確実に含まれていて、
最適化数学はルールを厳密に守った解を求める手法
であるということです。
人工知能はデータを正とするため、
データに誤りやはずれ値といったものが含まれていると
当然それらも正しいと認識して解を出します。
これが演繹的な最適化数学にはないのです。
ただし、そのような解を見つけるには、
事実上不可能と言ってよいほどの時間がかかる
ケースもあるわけです。
そこで最適化数学では、
より早く解を見つけるための近似手法などを考案し、
最適な解により近いものを計算します。
もっとも、ビジネス課題を解決する上で、
「夜中の間は業務をしない」などの緩和条件があれば、
その時間に最適化数学によって
計算をしてしまおうというアプローチもあります。
そして、夜中の間に終わるように
最適化プログラムを作成するのです。
いかがだったでしょうか。
世の中では人工知能という言葉が
とてつもなく大きなパワーをもち飛び交っていますが、
最適化数学だって負けてはいません。
一番重要なことは、
それぞれのビジネス課題に合わせた手法を取り入れること
が、課題のクリアにつながるということです。
このことを、ぜひ忘れないでください。
次回は、 最適化数学~事例編~ としまして、
実際のビジネス課題を最適化数学で解決した例を
追っていきましょう。
お疲れさまでした。