2017/03/14
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ビジネスに最適化数学を~前編~

演繹法と帰納法の関係図

こんにちは。テック博士です。

今日はビジネス課題をデータ分析で解決するアプローチにおいて、
特に考えるべきことをまとめていくよ。

キーワードは“ビジネスに最適化数学を”だ。

それでは始めよう!


最近は毎日といって良いほど、
人工知能機械学習といった言葉をよく耳にするようになったね。
我々もその流れとともに、
いろんな研究や手法の説明を行ってきた。

それらの記事などを見て、機械学習に興味を持った人
人工知能を自社に導入したいと考える人
多いのではないだろうか。


しかし、十分にその特性や構造を理解しないままだと、
なかなか思い通りに人工知能は作れないだけではなく、
むしろ導入を断念するまで至る可能性があるんだ。



そもそも、人工知能だって機械学習だって
数学をベースに理論を考えられているというのは、
ほとんどの人は直感的に知っているだろう。

そして、最も重要である
「データ」が必要だ
ということもご存じだね。

つまり、人工知能や機械学習は
データ分析であると言えるわけだ。



一言にデータ分析といっても多くの分野があるわけだが、
例えば、
 「エクセルで売り上げ管理をしている」
だって立派なデータ分析だし、
 「売り上げデータから達成目標を数値化する」
のもデータ分析だ。


ここでポイントとなることは、
 データ分析にはいくつかのレベル(ステップ)があり、
 それらを順に考えなければデータ分析は成功しない
ということだ。


それでは、 そのステップを次に示そう。

データ分析レベル表

先ほどのエクセルの例は、Lv1に分類される。
また、人工知能や機械学習などはLv4に分類されているね。

つまり、
この表のLv1に当てはまるものをないがしろにし、
Lv4からいきなり着手しても、
経験上、これはうまくいかない
このことを肝に銘じておいてほしい。



では、なぜうまくいかないのだろうか

少し想像してみよう。


 ビジネスのシーンにおいては、自分や上司の判断、
 その場の状況などを総合的に考え、
 さらにいろいろな条件のなかで最適な選択を
 常にしていかなければならない。

 これは社会人にとってみれば、経験と直感によって
 培われていくものといってもよいだろう。



これを機械が学習する場合、機械が理解できる言語
つまり数学に翻訳しなければならない。

これができない限り、うまくいくわけはなく、
もし“それらしいもの”ができたとしても
意図したものとは違うものになってしまうだろう。


ビジネスと人工知能の相関図



そこにさらに、膨大なデータが必要ともなれば、
ビジネスと数学とデータサイエンスを理解している専門家でなければ
なかなか難しいのは言うまでもない。


では、このような事態に陥ってしまった時、
自社のビジネスにデータサイエンスは活用できないのだろうか。



そんなときにぜひ頼りにしてほしいのが“最適化数学”だ。
そして、今回の記事で最も言いたかったこともこれに尽きる。


最適化数学数理解析と、人工知能機械学習のあいだには
大きな違いがあることをまずは押さえてほしい。


それは、
 最適化数学などがモデルを作成する
 「演繹的な思考法」であるのに対し、
 人工知能などは得られたデータを正として
 「帰納的に思考する」という違い
にある。


つまり、ビジネスの課題や判断などを数学的にモデル化できれば、
極論、人工知能でなくても思い通りの結果を出す
アプローチが可能であるということである。


ここからわかるとおり、
とりあえず人工知能」という判断が
必ずしも結果を出すわけではなく、
むしろ、人工知能以外の方法を適用することが望ましい場面も
多く存在する。



それでは、今回はここまでにしよう。
次回は、最適化数学の特徴人工知能との大きな違い
さらに、最適化数学の実用例を追っていこう。